TOP絵制作過程―3

色 −髪

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最後に髪を塗ることになりました。自分は色塗りは大体肌から始めますが、あとの順番は毎回変わります。
深い意味はありません。
ただ、最後のほうに塗る部分ほど既に塗った部分との
色の兼ね合いや調和によって色調を縛られるので、(色彩設計を全くしていない場合)
好きな色を使いたい場所ほど最初に塗ります。
ここでも髪色は周りの色と反発しないようにおとなしめの色にしました。栗色?

例によって水彩境界を乗算し髪の影を作ります。右図。

と、ここで今までとは趣向を変えてエアブラシのレイヤーの合成モードを「通常」ではなく「スクリーン」でつくります。

32ハイライト

クリッピングは今までどおりにします。
あとはエアブラシで適当に色を塗ります。
まずは普通に髪色を明るくした色で、その後髪の色の補色でハイライトを上のほうにかけます。
ここでは髪色が赤っぽいので、赤っぽい色の補色に当たる緑〜青あたりの寒色でハイライトをかけてます。
まあそんな難しいこと考えなくても、青っぽかったら奇麗かなってぐらいの気持ちです。

8.仕上げ

事ここに至り、下に何も敷かず地面に絵を描いていることがおかしいということに気づいたので、
ブルーシートを描こうと決めました。

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今まで作ってきた全ての人物関係のレイヤーの下、背景レイヤーの上にブルーシートの線用のレイヤーを新設。
主線レイヤーを薄くして確認しつつ……

34平筆設定

ネットにて「ブルーシート」で画像検索。実物を参考にしつつ塗ります。
ここでも平筆が活躍。どうせ大半が隠れるので一瞬で描きました。

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こんな感じになりました。

あ、あとこの時まだ歯を塗っていなかったことに気づき、急いで肌レイヤーをごそごそやって色を付けました。

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ブルーシートの線画の上に水彩境界効果の乗算レイヤーを作り、人物などがブルーシートや地面に落とす影を描きます。
今回はクリッピングしません。この影はブルーシートと背景のレイヤーにまたがっているからです。
ついでにこのレイヤーは人物レイヤー群の下につくってあるので人物に影がかかることもありません。


さてとりあえず必須なものは描き切ったのであとは遊びです。
思う存分キャンバス上で遊びます、ぜ!

37汚れ

ブルーシートにペンキ汚れを付けます。
ちなみに現在のレイヤー構成は右のような感じ。
「レイヤーセット1」というフォルダに人物関係の全てのレイヤーを収納しておきました。
今作業してるのは「垂れ」というレイヤーです。一応「影」のレイヤー下にあるのがポイントです。

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肌レイヤー群の一番上に乗算レイヤーを作ってクリッピング。
乗算にすることによって既に描いておいた影が反映されます。
ペンキでべったべったにしてやります。これでもか!これでもか!という気合で。

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Tシャツレイヤー群の一番上に乗算レイヤー、クリッピング。
汚れだけでなく、ラクガキも加えます。ちなみにEASYMANって背中に描いてあるんですよ。

Tシャツは地の色が濃いので、乗算レイヤーで色を重ねると重ねた色が暗くなってしまいます。
落書きが非常にくすんだ感じで見づらい……

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つなぎレイヤー群の上に、(以下同文)


できましたー! 完成です!


……これで終わりでももちろん良いのですが、せっかくのデジタルなので加工します。

9.加工

加工では「Pictbear」というツールを使用しました。
フリーソフトにも関わらず、様々なフィルタを扱うことができます。これはSAIではできません。

加工と言えど色々ありますが、今回は「グロー効果」を使います。

このためには「ガウスぼかし」フィルタが必要になるので、
Pictbearに追加プラグインでガウスぼかしフィルタを導入します。(ガウスぼかしは標準フィルタではありません)

ガウスぼかし

描き上げた絵をSAI上から「指定ファイル形式で出力」→pngファイルを作ります。
出力したpngファイルをPictbearに持っていきガウスぼかしをかけます。

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ぼかしたら保存し、その画像をSAIで開きます。
画像を全選択してコピー。さっきまで描いていたsaiファイルのほうに貼り付けます。
こうしてガウスぼかしのかけた画像を新規レイヤーとしてsaiファイルの中に入れることができました。
このガウスぼかしレイヤーを合成モード「スクリーン」に設定し、レイヤー序列の一番上に持ってきます。


↓これがグロー効果です。
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なんか空気が発光しているように見えます。
一般的にグロー効果をかけると絵画空間内の空気感が増すとか言われてますが、どうでしょう?

自分的には何かびっかびかして眩しかったのでこれを緩和します。

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↑こっちはPictbearで「シャープ」フィルタにかけたもの。これをガウスぼかしレイヤーの下に乗算で挟みこみ、
ガウスぼかしレイヤーを薄くします。

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完成!!

おわりに

ここまでお付き合いくださってありがとうございましたー!
お疲れ様です!

肝心なところをフィーリングで片づけるアホみたいなメイキングでしたが、
楽しんでいただけましたでしょうか……

描いてる自分は楽しかったです。笑顔を描くのは楽しいですね。描いてて元気出ます。

絵を描くということは一筋縄ではいかないことですが、
というかまっさらなキャンバスに向かうのは恐怖ですらある訳ですが、
とりあえず何でもいいので描いてみてください。きっと楽しいです。

絵を描くって楽しい、っていうことが少しでも伝わればな、という一枚でした。
Presented by honya


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